
ばね指
このようなお悩みはありませんか?
- 指の曲げ伸ばしの際に引っかかる
- 指の付け根に腫れや痛みがある
- 朝起きた時に指が硬くて動かしにくい
- 指を伸ばすときに「カクン」と音がする
ばね指とは
ばね指(弾発指)とは、指の腱鞘炎が原因で起こる症状です。 屈筋腱腱鞘炎は、MP(中手指節)関節の掌側にある靱帯性腱鞘で生じる腱鞘炎で、腱鞘の肥厚と靱帯性腱鞘内部の狭小化、腱自体の浮腫性腫大などによって腱の通過障害を生じ、弾発現象が起こります。指の曲げ伸ばしの際に腱が腱鞘に一時的に引っかかった後、“ばね”のように弾発するため、“ばね指”と呼ばれています。
ばね指は、中高年や妊娠出産期の女性に多い傾向があり、更年期や女性ホルモンなどの影響ともいわれています。母指・中指に多くみられます。
※腱の周りには腱鞘があります。硬い靭帯性腱鞘のある部分は滑膜性腱鞘で裏打ちされていて、腱と靭帯性腱鞘が擦れて摩擦が生じにくいようになっています。そのほかの腱の周囲はパラテノンという柔らかい軟部組織が覆う構造になっています。

小児のばね指
多くが1〜2歳までに発症します。原因は先天性の腱鞘の狭窄あるいは腱の肥厚であるという説がありますが、明らかではありません。母指に多く、IP(指節間)関節の伸展制限か弾発現象を訴えます。半数以上が自然治癒し、6〜7歳までは改善が期待できます。
握り母指症では、MP (中手指節)関節が屈曲位をとり、他動的に容易に伸展できることがばね指とは異なります。また、腱の滑動性が強く制限された場合、強剛母指といいます。

ばね指の原因
原因は明らかではありませんが、屈筋腱の腱鞘炎は、腱鞘とそこを通る屈筋腱との不均衡が原因とされています。腱鞘が腫れたり、腱が太くなったりすることにより通過障害をきたして症状が強くなります。
主な原因
- 手の使いすぎ
- 手指の繰り返しの動作
- ホルモンを含む体質的な素因
- 退行変性 など

主な症状・所見
指の付け根で屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で炎症が起こると、“腱鞘炎”になり腱鞘の部分で腱の動きがスムーズではなくなり、指の付け根に痛み・腫れ・熱感が生じます。朝方に症状が強く、日中は使っていると症状が軽減することも少なくありません。進行するとばね現象が生じて“ばね指”となり、さらに悪化すると指が動かない状態になります。
- ばね現象
- 指の付け根の痛み・腫れ・熱感
- 引っかかり感 など

当院での施術

徒手療法・ストレッチ
患部への刺激を少なくするため、愛護的にストレッチや手技を行います。時には、安静を保つために固定をすることもあります。

物理療法
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。炎症症状の抑制や疼痛の軽減を促します。

運動療法
腱の滑走を促して関節の動きをスムーズにし、指が上手く動くように運動療法を行います。
参考資料
- 標準整形外科学/医学書院
- 症状・病気をしらべる「ばね指(弾発指)」/公益社団法人日本整形外科学会
- 手外科シリーズ3ばね指(弾発指)
- 関節超音波像からみた屈筋腱腱鞘炎(ばね指)の病態的特徴/超音波検査技術vol.38 No.1(2013)