ベーカー嚢腫

このようなお悩みはありませんか?

  • 膝の裏に腫れや膨らみを感じる
  • 膝裏が痛い
  • 膝の曲げ伸ばしの際に圧迫感や違和感がある
  • 運動時に膝の不快感や痛みが増す

ベーカー嚢腫とは

 ベーカー(Baker)嚢腫は膝窩嚢胞ともよばれており、滑液が溜まることにより、膝窩部滑液包が膨らんだ状態を指します。腓腹筋内側頭と半膜様筋の間に発生することが多いですが、他の部位に生じることもあります。
 ベーカー嚢腫には原発性のものと二次性のものがあります。原発性のものは小児に多く、滑液包が単独で膨満し、関節内との交通がなく、関節外の他病変と関連があることが多いです。また、このタイプは時間経過とともに自然に消退することがあります。一方、二次性のものは成人に多く、関節内の病変が根本的な原因であることが多く、関節内と滑液包が交通しているのが特徴です。この交通部が弁状になっており、膝屈曲では弁が開き嚢胞側から関節内へ液体が流入しますが、膝伸展では逆に関節内から嚢胞側へ液体が流出し、一定量の液体が嚢胞側にたまると弁が閉じて嚢胞に液体が貯留する構造のことが多いです。

出典:整形外科医のための膝スポーツ診療のすべて

ベーカー嚢腫の原因

 原因は不明なこともありますが、膝後方の滑液包は弁構造となっており、関節液が弁を通して嚢胞を形成するとの説が有力です。半月板損傷、関節水腫、膝OA、関節軟骨病変、関節炎、ACL損傷などがベーカー嚢胞形成の原因となるとされていますが、これらのうち半月板損傷が最も関係が強いと報告されています。また、膝の使いすぎなども原因として考えられます。

主な症状

  • 腫脹や腫瘤を触知でき、立位完全伸展位でより突出する
  • 部位のはっきりしない疼痛
  • 圧迫感がある
  • こわばりがある       など

ベーカー嚢腫の破裂が生じると、以下のような所見を認めます。

  • 膝窩部および下腿後面に突然強い疼痛が出現する
  • 下腿後面の腫脹、紅斑がある

当院での施術

エコー検査

ケガの部位や状態を正しく把握するためエコー検査を行います。

徒手療法・ストレッチ

膝窩周囲の筋肉をほぐすことにより、腫脹・痛みの緩和などを促し、患部にかかる負担を減らします。

物理療法

早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。組織の修復や疼痛の軽減を促します。

運動療法

股関節、足関節の柔軟性獲得、膝関節の安定化のための大腿部や殿筋群の筋力強化を行います。

参考資料

  • 整形外科医のための膝のスポーツ診療のすべて/日本医事新報社
  • 標準整形外科学/医学書院
  • 病気がみえる Vol.11運動器・整形外科/MEDIC MEDIA