キーンベック病

このようなお悩みはありませんか?

  • 手首が腫れて痛い
  • 手首を動かすと痛みが増す
  • 手首に力が入りにくい
  • 重いものを持つと手首に痛みが出る
  • 手首の違和感や不快感が続いている

キーンベック病とは

 キーンベック病は、手根骨の1つで手首の中央に位置する月状骨に無腐性壊死をきたす疾患です。月状骨軟化症とも呼ばれ、月状骨がつぶれて扁平化するのが特徴です。
 月状骨は周囲がほぼ軟骨に囲まれており血行が乏しいため、血流障害になり壊死しやすい骨の1つです。また、慢性的な外力によって栄養血管の流れが悪くなることで起こる虚血が原因と考えられていますが、明らかではありません。一説には月状骨の小さな不顕性骨折(はっきりしない骨折)が原因とも考えられています。
 キーンベック病の判定には、X線(レントゲン)像によるLichtman(リキトマン)の病期分類が用いられます。単純X線像では判定の難しい初期にはMRIが有用です。

Lichtman分類

ステージⅠ:月状骨の変化なし.骨折線を認めることがある
ステージⅡ:月状骨の萎縮または硬化を認める
      月状骨の変形はない
ステージⅢ:月状骨の扁平化・分節化を認める
      ⅢA:舟状骨の回旋なし
      ⅢB:舟状骨の回旋あり
ステージⅣ:舟状骨周囲の手根骨および手関節の関節症性変化を
      認める

出典:標準整形外科学より

キーンベック病の原因

 月状骨への栄養血管の途絶による虚血が原因と考えられていますが、明らかではありません。職業的には手をよく使う青壮年の男性に多くみられ、利き手に多く発生します。明らかな外傷や職歴のない女性、高齢者にもみられることがあります。

主な原因
  • 栄養血管の途絶による虚血
  • 月状骨の小さな不顕性骨折(はっきりしない骨折)
  • 繰り返される軽微な外力
  • 橈骨が尺骨より長いことによる月状骨への過剰な負荷   など

主な症状・所見

  • 運動時の手関節の疼痛
  • 背側の月状骨部の圧痛
  • 軽度の腫脹
  • 手関節の背屈制限  など

当院での施術

応急処置と病院紹介

ギプス固定・シーネ固定など適切な処置を行います。骨傷の疑いがあり精密検査が必要と判断した場合は、近隣病院へご紹介しております。

徒手療法・ストレッチ

筋肉をほぐすことやストレッチをすることにより、患部への負担を減らすことができます。

物理療法

早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。炎症症状の抑制や疼痛の軽減を促します。

運動療法

患部への偏った負担を軽減するために手関節・前腕周囲の筋肉の運動学習や強化を行います。

参考資料

  • 標準整形外科学/医学書院
  • 症状・病気をしらべる「キーンベック病」
  • 手外科シリーズ16.キーンベック病(月状骨軟骨症)