
コルセットの使用ガイド
選び方・使い方・注意点まで解説
腰痛は多くの人が一度は経験する症状であり、特に急性腰痛(ぎっくり腰)は日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
そうした場面で腰部の安定を図り、痛みの軽減や動作の補助を目的として使用されるのが『コルセット』です。
しかし、誤った使い方や必要以上の長期使用は、かえって筋力の低下や回復の遅れを招く場合もあります。
このページでは、スポーツ用品店などでも取り扱いのあるコルセットの症状に合わせた選び方と正しい装着方法、注意点について解説します。
①症状に応じたコルセットの選び方
〇急性腰痛(ぎっくり腰)の場合
急性(痛めた直後)の場合は、炎症が強く、動くことで症状が悪化することがあるため、腰部が動き過ぎないように「幅広・硬めの素材・支柱が入っている」など固定力が強めの物を選ぶと良いです。

〇慢性腰痛の場合
発症からある程度時間が経過している慢性の腰痛の場合は、体幹筋力の低下や機能不全を起こさないために、「幅細め・ソフトな素材」など動きを制限しすぎない物を選ぶと良いです。

【+α】前かがみで痛い/反らして痛い場合
・前かがみで痛い場合
お腹側のベルト部分が幅広い物を選びましょう。
商品によってはお腹側にもステー(支柱)が入っているものもあるので、症状が強い場合はそちらを選択してみてください。

・反らして痛い場合
背中側にのみ支柱があり、腰を反らす動作は制限するが、お腹側は細くなっており前かがみ動作を過度に制限しすぎないものを選択しましょう。

②測定位置
コルセットのサイズは基本的に腹囲(ウエスト)または骨盤周径を基準としていることが多いです。
メジャーを使って測定し、自分にピッタリのサイズを選びましょう。
腹囲:お腹が一番くびれている部分(おへそのやや上部)を基準に測ります。
骨盤周径:大転子と呼ばれる太ももの骨のでっぱり部分よりやや上部を測ります。
商品によりサイズの基準としている部位が違いますので、必ず確認しましょう。

③正しい装着方法
〇装着位置(骨盤〜腰椎下部)
右図のように大転子と呼ばれる骨のでっぱり部分の上部から腰椎下部を覆うように着用します。

〇装着方法
・前述した装着位置にベルトを合わせ、身体の中心でベルトを交差させます。この時、補強用のゴムベルトがある場合は一度外しておきましょう。
・ずり落ちないようしっかり固定出来たら、調整用のゴムベルトを引っ張り、呼吸しても苦しくない程度に調整しましょう。
・長時間着けていると位置がずれるので、こまめに位置を確認し、必要に応じて位置を調節してください。
⚠️必ず肌着やTシャツなどの上から着用するようにしましょう。
(直接つけると皮膚トラブルになります。)


④コルセット使用時の注意点⚠️
- 長時間・長期間の着用は避ける
→コルセットは「腰に負担がかかる時だけ」の着用が基本!
日中の活動時のみに使用し、寝るときは外すようにしましょう。
※脊椎圧迫骨折などで着用する硬性コルセットの場合はその限りではありません。 - きつく締めすぎない
→血流が悪くなり、痛みやシビレの原因に...
指が1~2本入る程度のフィット感を目指しましょう。 - 肌に直接つけない
→かぶれなどの皮膚トラブルのリスクがある。
通気性の良い素材もありますが、Tシャツやインナーの上から着用するようにしましょう。 - 正しい位置に装着する
→ずれていると本来の効果が期待できない。
高すぎたり低すぎたりすることで、股関節や胸郭の動きが制限され、逆に腰の負担が増えてしまうこともあります。
最初のうちは、鏡で確認しながら「骨盤~腰椎下部」を覆うように装着しましょう。 - 痛みが続くときは医療機関へ
→コルセットは対症療法で、根本治療ではない。
あくまで、コルセットは一時的な痛みを和らげるもので、腰痛になった原因を解決してくれるものではありません。
痛みが長引く場合に限らず、腰痛でお困りの場合はお近くの整形外科や接骨院などの専門機関にご相談ください。
この他にも心配事やご質問などありましたらなんなりとご相談ください。
